ぱちんこ人気機種の再販に潜む問題点(後編)

前回のコラムにて、メーカー側の在庫部品についての話をした。当然のことながら、メーカー側も再販に耐えきれるほどの在庫を保持しているわけではないため、再販ともなると、部品の手配に奔走することになる。

そこで問題になってくるのは、「電子部品」である。役物などは金型があるため、量産すれば問題無いが、電子部品に関してはそうはいかない。
電気自動車や、IoT、AIの進展により日本中、いや、世界中で電子部品の需要が高まっている。
今までは電子部品メーカーの優先順位において、ぱちんこ業界は非常に高く、ぱちんこ機製造メーカーの納期優先であったが、経済が上向きである他業種に比べ、右肩下がりで需要が激減しているぱちんこ業界は後回しにされる傾向が強くなってきた。

そのため、以前のように短納期での納品はおろか、納期未定で納品が先延ばしされる事態も徐々に発生することになってきた。ようは、電子部品のリードタイムが非常に長くなってきたのである。
また、そのような事態であるため、コストも上昇することになる。

再販日程や準備できる台数がなかなか確定しないのは、電子部品の調達に起因するところが非常に大きい。
また、事態は再販だけに留まらない。開発者が至らない部分もあるが、ぱちんこは販売賞味期限が非常に短い製品である。ようは、再販を要望されるほど長期稼働をする機械が少ない。
そのため、殆どの場合、メーカーは新台売り切りで販売台数の目標を立て、部品を発注するわけである。

勘の良い方は、もうお気づきであろう。部品のリードタイムが長いため、需要予測が立ちにくく、遊技市場も短期から中期的に見れば縮小傾向である。
そんな中で、生産するまでに長い時期を経て部品を発注し、この市況下において、需要に合った遊技機の生産をするであろうか?間違いなく、需要よりも少し少な目にし、売り切り完売で余計な在庫を抱えないようなメーカー戦略をとるに違いないわけである。

その結果、新台供給が少ないことによる「新台小ロット販売による遊技機販売価格上昇」「需要増加により中古遊技機価格上昇」など、徐々に問題は表面化しつつある。「新台で買うのはリスクだよ、結果が良ければ中古で高くても導入するよ」といったことを言うホール責任者の方は意外と多いが、そんなことをいう責任者に限って本当に稼働した機械の中古機はとても高く、購入に至ることは殆どない。結果として、競合店と大きな差が埋まることなく埋没していき、経営が悪化し続けることになる。

ぱちんこ業界において電子部品は益々手に入りにくくなる。再販だけではなく、新台供給もおぼつかない可能性も出てくる。
そうなった場合に、今と同じ作り方をした新台や、中古機は今後も価格は上昇していくであろう。

その中でできる自衛策は「新台を積極的に購入していくこと」である。
ただし、闇雲に新台を買えばよいという話ではない。正しく遊技機を見極める「目」がこれから重要になってくるわけである。
今まで、遊技機選定に関して多くのホール責任者は「力を入れていない」のは間違いない。
簡単なスペック計算もできない法人が殆どである状況を見た場合、スペックの考察だけでもできることは沢山ある。

直近で見れば昨年8月のシンフォギア新台販売時に、仮に100台購入したホールがあったとしたら、今どのような状況になっているであろうか。自店で稼働しなかったら、中古市場で売却すればよいだけの話である。

とある法人では、社員全員で遊技機の稼働予測をし、成績上位者を表彰したりするところもあり、全員で遊技機の稼働予測を考えることにより、選定眼を常に磨いている。
今ある状況を悲観的に捉えるのではなく、今できる最善の方法を突き詰めることで他者からアドバンテージをとることができると私はそう思う。