大人気機種『ボクシング』の源流を辿る旅 そのA 〜


『スイケン』は酔拳の文字左右の入賞口から飛び込むと両手両足が6秒開閉し、拾われた玉がセンター中央穴に入らない限り、30秒間で5回の開閉を繰り返す。


『スターサーカス』は、役物中央奥穴に入ると「不規則に」25秒間、スライド羽根が開放する。
ただし、中央前穴に入ると作動停止となる。ランダムな動きという点では、これが最初かもしれない。

こうやって見てみると、『ボクシング』に似た機種は『ボクシング』の後に多数出ていることがわかる。当時は、同じ役物(すでに役物という言葉が使われていた)をいくつかのメーカーが使い回すことは珍しくなく、大手メーカーなどは「オリジナル役物」と銘打って販売することもあった。
もっとも、ボクシングタイプでは同じ役物の使い回しは見られない。

さて、結論である。1980年以前に『ボクシング』が発表されているのかいないのか。結論をいってしまうと、「発表されている」のだ。1980年春発表の『黄金虫ベルバラ』(平和)である。そしてそれを遡ること1年。その元になったと思われる『2段ベルバラ』と『落しベルバラ』(ともに平和)が出ている。
スライド羽根と、その下にある3つの穴。基本構造はこの時すでに完成しているのである。……もっと調べてみると、1976年春!
同じ平和から『スライドパンチ』(『A型』と『B型』がある)が発表されていた!


『2段ベルバラ』は「オリジナル電ヤク」であり、「センター中段に入賞するとドリームチューリップが開き、さらにベルバラの騎士が左右にスライドして入賞チャンスを増します」とカタログには書いてある。
チューリップの連動などを見ると、『ボクシング』の元祖といってもいいかもしれない。
黄金虫ベルバラもほぼ同じだ。


『スライドパンチA型&B型』は、形状こそ『ボクシング』だが、ゲーム性は限りなく普通機に近い。左右の袖チューリップに玉が入ると中央下のチューリップが開放する。また、その上にはクラゲもあり、当時の典型的な普通機といってもいいだろう。

『2段アリババ』は「センターヤクモノの中央穴に入ると「ひらけごま」となって左右の岩がスライドして玉を呼び込みます」と当時のカタログにあるようなゲーム性で、続いて「岩の上部に入り続ける限り、左右の岩は開閉を繰り返します」とあるから、まさに『ボクシング』のルーツといってもいいかもしれない。


もうすでに40年以上前のことである。『スライドパンチA型』打ったよ〜という人はもういないだろう。いや、いるかもしれないが、当時は機種名などを気にする打ち手は少なかったから、打ったことを覚えている人など存在しないだろう、と言い換えよう。
一ついえることは、人気を博した『ボクシング』の源流を辿った結果、行き着いたのは『スライドパンチ』だったという事実である。
羽根がスライドしてパンチのようなアクションをする。まさに言い得て妙である。