栢森秀行 ダイコク電機代表取締役社長

■必要なのは全体の最適解を求める試み

 ダイコク電機では、パチンコホールに営業管理機器をはじめとするシステムを導入し、またそこから収集したデータを分析することで市場を把握してきた。ファンの減少傾向に間違いはないが、レジャー白書のデータはあくまで統計上の話。経産省が4年に1度行う実態調査の数値の方が個人的には納得がいく。白書の数値ほどファンは減少していないというのが実感だ。

 一方、ファン1人当たりの投資額の上昇を指摘する声もあるが、弊社の調べでは、4円パチンコと1円パチンコを合わせた1時間当たりの粗利はせいぜい700〜800円程度。映画を見るのと同程度の利益をいただいているに過ぎない。さらに1円パチンコに限れば、1時間当たり300円程度。マンガ喫茶と同レベルだ。ギャンブルのようにいわれるが、時間にならせばレジャー産業の水準の中に十分納まっている。

 このようなデータを根拠に、私は国民の娯楽に貢献しているという誇りを持って仕事をしている。

 ファンの減少については、遊技機を例に挙げると、成功モデルに依存する体質が開発においても発揮され、スペックやゲーム性の画一化をもたらした。これがファン減少を導いた大きな要因といえ、今後、この閉塞(へいそく)感から脱却するためにも羽根物など遊技機の多様性の担保が必須となってくる。

また、パチンコ、パチスロという遊びが持つ可能性の広がり期待されるなか、皆で議論しながら、より楽しい娯楽へと進化させることがわれわれ次世代経営者の使命。新しいデバイスを導入し、パチンコホールの利便性を向上させたり、新たなコンテンツで楽しんでもらったり、できることはたくさんある。

 遊技業界は現状におけるさまざまな条件下で自然にいまの形に、いわゆる局所解に陥っている。本当は全体の最適解を求めないといけない。

 斬新な、一見奇抜とも思われるアイデアは全体の最適解を求めるのに不可欠だ。既存の条件で議論するのではなく、前提を覆し、チャレンジする姿勢と行動力が遊技業界の未来を描く鍵となるに違いない。