カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる

幅広い業態で経済波及効果の期待高まる

IR(Integrated Resort=統合リゾート)推進法案(略称:IR法案、通称:カジノ法案)が秋にも国会に提出される公算が高まっている。カジノ法案はこれまで何度も経済活性化案として浮上してきたが、その都度、反対の声などが上がり立ち消えになってきた経緯がある。しかし、今夏〜秋には大きく進展する可能性がある。

 スケジュール的にはまず、7月21日投開票の参議院議員選挙の後だ。事前の予想通り安倍晋三内閣が率いる自公連立与党が勝利すれば、その後に成長戦略が打ち出されることになる。カジノの経済インパクトは極めて大きいと見られる。カジノは単独施設ではなく、大規模商業施設、レジャー施設、国際会議場などからなる統合リゾート(IR)として建設される。

 観光客増のほか、雇用を生み、税収も増加させる効果が期待できるなど経済波及効果が大きい。世界190カ国のうち、カジノが合法化されているのは120カ国以上に達している。アジアではマカオやシンガポールが成功を収めている。また、安倍内閣では8月にも「戦略特区構想」をまとめる見通し。東京や大阪がカジノ特区的な内容をまとめていると見られる。

 東京はお台場のほか数カ所が候補とされ、大阪や沖縄、宮城なども建設候補に挙がっている模様だ。参院選前に具体化しなかったのは、ギャンブルのイメージが先行するカジノを、参院選の争点にしたくないとの思惑が働いたものと見られる。

●法案成立の公算も高い

 カジノ合法化を進める議員の動きは2001年の「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(通称・カジノ議連)にさかのぼる。当初は自民党の有志による議連だったが、09年に超党派の議連が設立された経緯がある。一時は民主党が主導したものの、今年4月に安倍政権発足後初のカジノ議連の総会が開催された。最高顧問には安倍首相、麻生太郎財務相が名を連ねており、実現への本気度がうかがわれる人事となっている。カジノ議連の会員数は140名で、うち85名を自民党が占めている。参院選での勝利となれば、法案提出に動くきっかけになるだろう。

 また、自民党以外も、民主党、日本維新の会、公明党、みんなの党など超党派の布陣となっており、IR推進法案が国会に提出されれば成立する公算が大きい。カジノで得られた収益で、賭博依存症対策や周辺地域の安全確保対策を行えば、反対論者に理解を得やすいと見られる。収益金の一部を東北復興に充当するなどの案も検討課題となりそうだ。