禁煙パチンコ店あり?なし? 健康、客離れ対策を模索 仙台

仙台市内のパチンコ店が店内を禁煙にするか、喫煙できるようにするかをめぐり、手探りを続けている。利用客や従業員の健康対策を進めたい一方で、喫煙派が多数を占める利用客に支持されなければ営業に差し支えるケースがあるためだ。各店は微妙なバランス感覚を求められている。

<差別化に狙い>
 宮城県内に6店舗を構えるマルタマ(仙台市若林区)は5月末、青葉区のJR仙台駅前の駅前店で約1年半続けた全面禁煙を取りやめた。競合他社との差別化を図る狙いで始めたが、利用客が1〜2割減少した。
 同店は利用客同士を隔てる分煙ボードを全パチンコ台に取り付け、喫煙派と禁煙派双方の満足度向上を図る。ボードと空調設備の設置に新たに数百万円を費やした。
 伊藤幸一営業課長は「台の前で、たばこを吸いたいという要望が多かった。利用客はパイが限られる。双方の満足を目指さなければならない」と話す。

<女性の求職増>
 東北に13店舗のセントラル伸光(青葉区)は3年半前から、泉区の八乙女店のパチンコフロアで全面禁煙を実施。喫煙室を備え、愛煙家への配慮も欠かさない。
 禁煙を始めた当初は客離れが進んだが、最近は開始前と同水準まで戻った。エアコンの耐用年数が伸び、室内クロスの張り替え回数も減って1000万円近くの経費を節減できた。
 女性の求職が増え、店内に女性スタッフを多めに配置できるメリットもある。服部悦郎営業部長は「小規模店が大型店と競うには、目的意識を持って集客に当たりたい」と意気込む。

<法で禁止期待>
 業界向け情報誌「クォータリー」によると、パチンコ愛好者の喫煙率は43.1%で全体の21.1%の約2倍に上る。
 全国ではフロアをガラス窓で仕切ったり、コーナーごとに禁煙、喫煙を分けたりする店がある。いずれ、喫煙者と利用可能な台の数がマッチしないと客離れにつながる。
 健康増進法は施設管理者に受動喫煙防止を求めるが、努力目標にとどまる。「法律で全面禁止してくれれば設備投資が抑えられる」と本音を漏らす業界関係者は多い。
 県遊技業協同組合は「パチンコ人口が減る中、各店は女性や若年層の取り込みに懸命だ。禁煙、分煙対策を進め、業界の煙臭いイメージを払拭(ふっしょく)したい」と話している。