「闇スロ」全国で横行…摘発逃れ改造、後絶たず

ギャンブル性が高いとして風営法で設置が禁止されたパチスロ機の一部が回収されずに流通し、「闇スロ」として賭博に悪用されている。

 全国の警察では、闇スロを扱う違法営業店の摘発を続けているが、新規出店は後を絶たず、摘発逃れが目的とみられる改造機まで登場しているのが現状だ。イメージ低下を危惧するメーカーなどは回収を進めているが、流通の実態を把握することは困難で撲滅に向けた処方箋は見つかっていない。

 ◆客も逮捕

 JR上野駅から南西に約400メートル離れた東京・上野の繁華街の一角にある雑居ビル。9日午後11時頃、5階の1室に警視庁の捜査員数人が入った。

 約50平方メートルの室内に計29台の闇スロが置かれていた。ドアの前には監視カメラが設置され、店内のモニターで人の出入りをチェックできる仕組みになっていた。

 同庁はこの日、経営者の前岡孝典容疑者(31)(江戸川区鹿骨)を常習賭博容疑で、客の男2人を賭博容疑で現行犯逮捕した。捜査幹部によると、前岡容疑者は同日深夜、店内に設置した闇スロで客2人と賭博をした疑い。昨年11月に営業を開始し、7か月間で約2500万円を売り上げていたという。

 ◆07年頃から

 闇スロは元々、メーカーが製造し、パチスロ店で実際に使われていた旧機種のスロット機。しかし、1日で数十万円分の商品に交換できるメダルが出るなどギャンブル性が高いことが問題となり、警察庁は2004年に風営法の施行規則を改正し、ギャンブル性の高い機種の設置を禁止した。

 警視庁幹部によると、施行規則による撤去期限の07年末に向け、全国のパチスロ店は、メーカーや下取り業者に引き取ってもらっていたが、07年頃から、闇スロの違法営業店が見られるようになったという。

 闇スロ店は主に繁華街の雑居ビルにあり、口コミや街頭で声をかけて集客。客に遊ばせて獲得したメダルをその場で換金している。常連客というマージャン店の男性店員(36)は「1日で最高20万円を稼いだこともある。今は500万円の借金があるが、もうかることもあるのでやめられない」と話す。

 警察庁によると、全国の警察は10〜13年度に東京、神奈川、大阪など15都道府県で闇スロ店40店を摘発。押収台数は警視庁だけで07年以降、1552台に上る。同庁幹部は「悪質な下取り業者や倒産したパチスロ店から流れているのでは」とし、「ギャンブル性の高い旧機種は人気があり、集客が見込めるため、違法店舗が後を絶たない」とみる。