公営ギャンブル、県内3カ所も経営厳しく


愛知県一宮市の一宮競輪場が来年三月末に廃止されるが、岐阜県内に三つある公営ギャンブル場は今のところ存続の危機には陥っていない。ただ、いずれも売り上げと入場者数が右肩下がりで、厳しい経営状態が続いている。

◆岐阜競輪場、黒字も入場者5分の1に


 岐阜競輪場(岐阜市)は一九四九年の開設以来、赤字に転落したことがない。二〇一二年度も一億八千万円の黒字になる見込み。利益の中から市の一般会計に回す操出金はこの数年、一億〜三億円を維持している。


 運営上の貯金にあたる基金や繰越金も計三十五億円ほどあり、吉田嘉宏・市競輪事業対策審議監は「不測の事態でも、競輪事業に市税投入を迫られる恐れはない」と説明する。


 ただ、一二年度売上金は百二億円(見込み値)で、バブル経済期の三百四十五億円に比べると三分の一以下に低下した。年間入場者数も最盛期の五分の一の十三万人(同)にとどまる。


 スタンドやトイレの大規模改修で「汚い、怖い」といった負のイメージの払しょくを図り、初心者向けや女性専用の観戦教室で新規のファン獲得を目指している。吉田審議監は「バブルの再来は望めないが、他施設との差別化で黒字を維持したい」としている。

(小笠原寛明)

◆笠松競馬場、入場者1割


 笠松競馬場(笠松町)の貯金にあたる基金残高は、2012年度末で2億円。「資金が残っているうちは存続する方針」(県地方競馬組合企画広報課)だが、赤字が続いているため、数年後にゼロになる恐れもある。


 12年度の馬券の売上高は106億円の見通しで、最盛期の1980年の445億円の4分の1以下。入場者数も1974年度の165万5000人の1割以下の10万8000人まで落ち込んだ。


 売上高が入場者数ほど減っていないのは、インターネットによる馬券の売り上げが全体の4割を占めているから。組合は、このネット客に情報を発信するため7月にホームページを一新し、スマートフォン(多機能携帯電話)でも見やすくする。馬券の販売所や着順審査などを見学できるバックヤードツアーで、イメージアップも図っている。

(大島康介)

◆大垣競輪場、売上金最低


 大垣競輪場(大垣市)は2009年度と10年度に赤字を計上したが、11年度から黒字に戻った。13年度は、6年ぶりに市の一般会計に1億5000万円を還元できる見込みだ。民間から借りていた駐車場の返還や職員削減などの経営改善策が奏功。市は、競輪事業を当面続けるとしている。


 12年度の売上金は過去最低の107億円。1994年度の488億円をピークにして、下落傾向に歯止めがかからない。年間入場者数も8万3000人で、過去最低。ただ、貯金にあたる基金残高が9億円ある。


 元選手が競輪の魅力を伝えるガイダンスコーナーを常設し、車券の買い方などを指導。競輪場のバンクを普通の自転車で走れる催しも開かれた。市公営競技事務所の中野哲朗所長は「入場者や売上金の急激な増加が見込めない中、地道な経営努力を続けたい」と話す。