分煙対策と稼働率のせめぎ合いでパチンコ屋が悲鳴

タバコの煙がホールに充満していたのはいつの時代か。分煙・禁煙の波は大衆娯楽のパチンコにも押し寄せている。

 しかし「快適な分煙環境を提供するのも大変」と愚痴をこぼすのはパチンコホール店長のS氏だ。

「非喫煙者からの要望もあって、ウチでは全台に吸煙機能付き灰皿、店内各所に一台200万円もする最新型の空気洗浄機を設置していました。ほかのホールでは、消臭機能のあるエアシャワーや隣台との間に透明の壁を築く分煙ボードを設置して分煙対策をしているホールもある。ただ、これらの費用に約5000万円もかかるケースはザラ。出費が大きい割に、どのホールも分煙化が進んできているので、アピールポイントにもならない。空気清浄機なんて、節電のご時世に電気代がかかるだけ。客が増えるわけでもなく、むしろ減ってしまった。ホント無駄な出費ですよ」

 パチンコ利用者の喫煙率を考えれば、分煙・禁煙化はホールにとってマイナス。だが、受動喫煙の煽りを受け、業界全体が分煙化への道を突き進んでいる。そのため、新規オープンのホールには禁煙コーナーが設けられている。

「禁煙コーナーの設置は、非喫煙者を新規客として取り込むのが本当の狙い。確かに、一部のパチンコユーザーからは好評ですよ。でも、稼働率が上がるかどうかは別の話。期待していたよりも稼働率が上がらず、禁煙コーナーを縮小したり、完全に喫煙OKに戻したりする店もあります」(S氏)

 郊外型のホールほどパチンコ利用者の喫煙率は高く、分煙化は採算が合わなくなるというS氏。それでも、チェーン展開しているホールだと、本社の方針で分煙化を進めなければならない。

「お客さんからは『ホール内の分煙化にお金をかけるくらいなら出玉として還元してほしい』って言われます。まったくその通り。でも、世の中の流れがね……」(同)

 売り上げに影響が出ようとも進められる分煙・禁煙化。この大きな課題に、パチンコ業界は苦しめられているようだ。