日本初! 小野市で生活保護受給者のパチンコ禁止条例

兵庫県小野市が日本で初めて生活保護費受給者のギャンブルや浪費を禁じる条例を市議会に提出する。一連の不正受給発覚以来、「生活保護費でパチンコ」は法の盲点として議論されてきただけに、ネット上などで大きな反響を呼んでいる。

無視すれば支給停止に
小野市が27日の市議会に提出するのは「小野市生活給付制度適正化条例」。第3条1項には、ギャンブルなどでの浪費を禁じる下記条文がある。


「受給者は、偽りその他不正な手段を用いて金銭給付を受けてはならないとともに、給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならない(一部抜粋)」

生活保護費をギャンブルなどで浪費することについてはこれまで、「好ましくない」とされながらも、禁止する法律などがないため、見逃されてきた。今回、条例として明文化されることで、自治体も明確な対応を示すことが可能になる。

同条例には罰則がないものの、生活保護費受給者が指導を無視し続ければ、保護費の支給停止につながる。


市民による情報提供で適正運用
運用に際して、多くの自治体で問題となっているのが、対応する職員による調査の限界だ。生活保護費が浪費されていないか、少数の自治体職員が実態を把握するのは難しい。

小野市の条例では、第5条第3項に、不正使用を見聞きした場合、市民が通報するよう促す条文があり、実効性は高い。同市では、通報があった場合、警察官OBが調査に当たることになっている。


全国の自治体に影響も
生活保護費については、昨年、吉本興業に所属するお笑い芸人、河本準一の母親に不適切な受給があった、としてネット上で取り上げられた。その後、国会でも議論されており、年々増加する保護費予算の圧縮が大きな問題となっている。

不正受給は一部とされるが、これまで「浪費」は不正に含まれておらず、条文で規制されることにより、これまでに比べ適正な支給が促進されるのでは、とする期待は大きい。

小野市は人口5万人の小規模な自治体で、生活保護費の受給者も120世帯と、受給者の人口比は全国平均に比べてかなり少ない。同市では条例について、市としての理念を示すもの、とコメントしている。

同市の蓬莱務市長は、2010年から近畿市長会会長を務めており、この「理念」がどこまで広がるか、注目される。