パチンコ店禁煙の波 既存店も分煙進める


パチンコ店禁煙の波 既存店も分煙進める(茨城新聞)



■遊技人口減で拍車

 たばこの煙と大音量のBGM−。当たり前だったパチンコホールの風景が最近、様変わりしつつある。県内でも全席禁煙のホールが進出したのをはじめ、既存のホールでも分煙パネルや空気清浄機を設置するなど、「嫌煙家」への配慮に乗り出した。遊技人口は減少傾向にあり、「禁煙」や「分煙」を進めることで従来の店舗と差別化を図り、集客したい考えだ。

 茨城町長岡の「ダイナム信頼の森 茨城イオンタウン水戸南店」は、店内の遊技スペース全てが禁煙。休憩室も非喫煙者と喫煙者で分けられている。遊技台脇の灰皿には「たばこは休憩室でお願いします」などと書かれたステッカーが貼られ、たばこに火を付けようとした客がいた場合は、携帯灰皿を持った店員が駆け付けて注意を促すという。

 同店を経営するダイナム(東京)は、県内に禁煙ホールを3店舗展開している。店長の佐藤篤史さん(36)は「髪や衣服に(たばこの)臭いが付かないことで、利用するお客さんも多い。もっと一般へ浸透してくれれば」と嫌煙家の誘客に期待を示す。

 県内などでパチンコ店を経営する伸和商事(水戸市)は、9月に全席禁煙の「ガディス牛久店」をオープンさせた。同社としても初の試み。担当者は「一つのチャレンジ」と熟慮の結果だったことを強調する。同店の手応えが良ければ、今後も禁煙ホールの増設を検討するという。

 また、別のパチンコチェーンの担当者も「(台の脇に設置する)分煙パネルなどの導入を進めている」と分煙に乗り出した。同チェーンに禁煙ホールはないが、「今後の選択肢には当然入ってくる」と検討している。

 ホールが禁煙や分煙対策を進める背景には、遊技人口の減少が挙げられる。「レジャー白書」をまとめている日本生産性本部によると、「1年間に一度以上パチンコをした」とされる人は、2002年が約2170万人だったのに対し、11年は4割減の約1260万人。同本部は理由については分析していないが、自由に使えるお金が減ったことや、射幸性の高い機種の増加により、気軽に遊べなくなったことなどが要因とみられる。

 JT(日本たばこ産業)の全国たばこ喫煙者率調査では、12年5月現在の喫煙者率は男女合わせて21.1%で前年に比べ0.6ポイント減った。

 「大衆娯楽としてのパチンコの在り方を考えていかなければならない」とダイナムの佐藤店長。今後も禁煙・分煙の流れは加速しそうだ。