パチンコ業界 ゴルフに照準 カジノにも意欲 不景気 収益の柱模索

パチンコメーカー大手がゴルフ場運営に関心を強めている。不景気の影響でパチンコ市場が縮小する中、総合レジャー産業への脱皮を目指して、新たな収益の柱を求めているからだ。カジノ合法化議論の活発化も追い風となっている。(庄野和道)

 ゴルフ場運営2位「PGMホールディングス」による同業最大手「アコーディア・ゴルフ」に対する株式公開買い付け(TOB)が11月から始まった。PGMはパチンコメーカー「平和」の子会社で、実態は業種を超えた再編劇だ。アコーディア株式の最大50・1%(425億円)を買い付けるもので、TOBが成功すれば全国約2400のゴルフ場の1割、現在の3位企業の6倍を保有するガリバー企業が誕生する。平和は昨年12月、PGMを米投資ファンドなどから約500億円で買収したばかり。立て続けの大型買収の背景にあるのは、パチンコ市場の冷え込みだ。

 日本生産性本部のレジャー白書によると、パチンコ店の売上高は2003年から8年連続で縮小し、11年は03年比36%減の18兆8960億円に落ち込んだ。長引く景気の冷え込みに加え、射幸性を過度にあおらないよう07年までに実施されたパチスロ規制強化が追い打ちをかけた。平和は「新たな収益の柱を探していたところに、PGM売却の話が持ち込まれたのがゴルフ事業進出のきっかけ」と経緯を説明する。近年、東京、大阪など各地で活発化しているカジノ合法化議論との関連を指摘する声もある。海外のカジノはゴルフ場がセットになった総合レジャーリゾート施設の一つだ。平和も、「今後カジノも含めあらゆる選択肢を検討する」と否定しない。

 パチンコメーカー大手のユニバーサルエンターテインメントは08年、フィリピンでのカジノリゾート計画を発表し、14年に開業を予定する。今年12月には、韓国のカジノリゾート計画への参加を検討すると発表した。カジノ運営のノウハウを蓄積し、「日本で合法化されれば、検討する」(広報)というスタンスだ。

 同大手のセガサミーホールディングスは今年2月、宮崎県の総合リゾート「フェニックス・シーガイア・リゾート」の買収を決め、5月には韓国でのカジノ計画を発表した。経営再建中の名門ゴルフ場「太平洋クラブ」の買い手にも、別のパチンコ店大手が浮上している。

 厳しいとはいえ、なお市場は巨大で、資金的な余裕もあるパチンコ業界。ある関係者は、「『乗り遅れないよう、とりあえずカジノがらみで何かやっておこう』という雰囲気が漂っている」と話す。カジノは地方観光振興の切り札として国内各地で推進団体が設立され、国会でも超党派の議員連盟の動きが活発化している。