市場トレンドはファンが決める パチスロ産業、新たなステージへ

◆次世代エンターテインメントマシンへと進化するパチスロ

 □日本電動式遊技機工業協同組合 理事長 里見治(さとみ・はじめ)氏

 ≪パチスロ設置台数 約4年ぶりに140万台をマーク≫

 パチンコホールの全国組織「全日本遊技事業協同組合連合会」(以下、全日遊連)が行う組合員数調査によると、2012年7月末時点の遊技機設置台数はパチンコ機が2864台減って282万2155台。回胴式遊技機(パチスロ機)は6132台増加し140万1273台と、08年9月期以来、3年10カ月ぶりに140万台をマークした。

 全日遊連が台数を含む同調査を開始したのは07年1月期分からで、調査開始当初のパチスロ設置台数は約184万台。だが、いわゆるパチスロ5号機へのシフトに伴い、同年で一気に28万5000台減少した。さらに、翌08年には17万7000台減、09年には10万台減と、大幅減で推移。10年6月期には125万3175台まで市場は縮小し、調査開始から3年半で約3分の1のシェアを失っていた。

 しかしながらその後、メーカーの開発努力によるパチスロ5号機のゲーム性充実と、新規ファンの定着で徐々に市場は好転。設置台数も増加傾向を示し、月に6500台平均という伸張を見せるようになった。ちなみに、8月末の調査では8000台以上増加し、140万1273台と、順調にシェアを拡大しつつある。

 回復基調を見せるまでの5年間、メーカーにとっては大変厳しい状況が続いた。市場が極端にシュリンクする背景で、廃業を余儀なくされたメーカーも少なくない。だが、ある意味、射幸性以外のパチスロの魅力やその可能性を徹底的に追求する姿勢を養うことができた期間であったともいえる。

パチスロが5号機市場へとシフトして以降、日電協の組合員各社は血のにじむような開発努力を行った。ファンニーズを背景に、行政ともゲーム性拡大に向けた折衝を繰り返した。より多くの人々に楽しんでもらえる娯楽へとパチスロを昇華させるべく試行錯誤し、組合員全員の努力が実る形でようやく新たなパチスロファンによる市場が形成されてきた。