ラッピング電車:パチンコ広告やめて 依存症対策団体、大阪3鉄道業者に要請へ

電車の車両全体を覆うパチンコのラッピング広告は青少年に悪影響を与えるとして、ギャンブル依存問題に取り組む「依存症問題対策全国会議」など約20団体が17日、大阪の三つの鉄道事業者に中止を要請する。全国的にはパチンコ広告を規制する公共交通機関がある中、大阪では大阪市営地下鉄や大阪モノレールなどでパチンコ広告車両が走り、他の大都市ではあまり見られない光景だという。

 要請文は「ラッピング広告は時間や対象を選ばず人目に触れ、青少年の健全な育成を妨げる」と主張。同会議事務局長の吉田哲也弁護士は「子どもの目に触れるべきでないという社会的合意から、パチンコのテレビCMは時間帯によって自粛している。鉄道事業者も公共性、道徳性を十分考慮してほしい」と訴える。

 今回の要請先の一つで、大阪市営地下鉄を運営する市交通局には以前から「他県の友人に見られて恥ずかしい」「子どもに見せたくない」などの苦情が寄せられている。市交通局は昨年度、パチンコ業者とはラッピング広告の新規契約をしないことを決めたが、広告主が辞退しない限り自動更新される仕組みで、御堂筋線では現在も走っている。

 このほか、大阪モノレールと泉北高速鉄道にも要請文を手渡す。いずれも大阪府の第三セクターが運営しているが、「市民権を得ている」としてパチンコ業者の広告を規制していない。

 これに対し、都営地下鉄などを運営する東京都交通局は08年度から、全ての広告でパチンコ業者との契約を内部基準で禁止した。担当者は「地下鉄は未成年者も利用する。射幸心をあおる可能性もあり、影響を配慮した」と説明する。

 ラッピング広告は大きな収入源で、公共交通機関の対応は分かれているのが現状だ。大阪市営地下鉄の場合、パチンコチェーンから月200万円の広告収入があるという。ある鉄道関係者は「浮き沈みのある広告収入の中で、ラッピング広告は契約が長期で、安定している」と明かす。

 ラッピング広告の禁止を求める意見について、パチンコ店の全国組織の全日本遊技事業協同組合連合会は「各社とも広告の表現に十分気を付けている。今後も適切に対処したい」としている。