元係長、パチンコで多額借金…木曽の横領初公判

木曽町の住民団体の口座から現金計60万円を着服し、会計監査を遅らせるため同町日義支所に火を付けたとして、業務上横領と非現住建造物等放火罪などに問われた同町三岳、元同町教委係長・田口俊久被告(47)の初公判が9日、長野地裁松本支部(二宮信吾裁判長)であった。横領事件の罪状認否で田口被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。放火事件と別の50万円の業務上横領容疑の追送検分は11月27日の次回公判で審理される。

 検察側は冒頭陳述で、田口被告が知人に借りた50万円の返済に充てるため、自分が会計担当として管理していた口座から貯金を着服したと指摘。着服したうち10万円はパチンコなどにも使っていた。貯金を引き出す際、「義仲の会旅費」(40万円)、「全国大会旅費」(20万円)と架空の理由で手続きをしていたことも明かした。

 また、田口被告がパチンコ代のために消費者金融から借金を重ね、2007年頃には最大約300万円に上り、毎月15万円の返済に追われていたと説明。返済のためヤミ金融から借金し、他人から預かった現金を流用し、妻が管理する口座から無断で預金を引き出すなどしていたと指摘した。

 起訴状などでは、田口被告は10年4月28日と同7月30日の2回にわたり、住民団体「日義地域自治協議会」の教育文化部会の口座から計60万円を引き出し、着服したとしている。

 パチンコで多額の借金を抱えていたとの指摘について、傍聴した同町の原久仁男副町長は「初めて知り、びっくりしている。町の調べには『パチンコは月1回程度』と言っていたのはうそだった」と肩を落とした。