平和・PGM連合が繰り出した“盲点”突く資本増強策。子会社優先株なら希薄化せず開示も不要

委任状争奪戦(プロキシーファイト)で注目を集めた、アコーディア・ゴルフの株主総会からほぼ1カ月。その一方の当事者でもあった、ゴルフ場運営のライバル企業・PGMホールディングスが8月3日開示した今2012年12月期の中間決算は、前年同期比で営業利益が2倍強となったものの、期初計画比では大幅な未達となった。第1四半期(1〜3月期)の不振を第2四半期(4〜6月期)の大幅な巻き返しでもカバーできず、会社側は通期の営業利益見通しについて、従来の127億円から103億円へと2割近く下方修正した。

 EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)についても、上期は期初計画値の68億円を12億円下回る56億円で着地した。会社側はEBITDAの通期見通しを期初の185億円から160億円に下方修正している。

 アコーディア・ゴルフもPGMホールディングスも、どちらも典型的な装置産業である。資産の大半を占めるゴルフ場のコース自体は減価償却の対象にならないが、それでもクラブハウスや什器・備品だけでも減価償却負担は重く、営業利益とキャッシュフローにかなりの乖離が出るため、収益性の指標としては営業利益よりもEBITDAを重視する。当然、営業利益率よりEBITDAマージン(売上高に対するEBITDAの割合)を重視し、財務の健全性の尺度も、有利子負債がEBITDAの何倍かを示す、EBITDAベースの財務レバレッジを使う。

 PGMホールディングスはこの半年間で56億円のEBITDAしか稼いでいないにもかかわらず、今中間期末(6月末)時点では、財務は大きく改善している。有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債が11年12月末時点の1030億円から881億円へと149億円も減り、財務レバレッジは8.3倍から一気に2.0ポイントも低い6.3倍に改善しているのである。下期に修正計画通り104億円のEBITDAを稼げば、財務レバレッジは6倍を切ることも計算上は不可能でなくなってくる。

 上期は56億円のEBITDAに対して、150億円のネット有利子負債が削減されたことになる。それを可能にしたのは、子会社発行の優先株で調達した120億円である。