【喫煙を考える】“喫煙率12%”自治体に大きな波紋!

【喫煙を考える】“喫煙率12%”自治体に大きな波紋!

タバコ農家への影響も懸念される

 6月8日に閣議決定した厚生労働省の「がん対策推進基本計画(変更案)」。その中で特に注目を集めたのが、「現在19・5%の成人喫煙率を2022年までに12%に引き下げる」という、具体的な目標数値を設定したことだ。これに対し全国の自治体が、早くもさまざまな反応を示し始めている。

 真っ先に異議を唱えたのは熊本県だ。全国一の葉たばこ産地である同県にとって、“たばこの抑圧”は死活問題。今回の決定は、「たばこ販売本数、たばこ税収の大幅な減収を招き、葉たばこ耕作農家や零細なたばこ販売店に多大なる影響を及ぼすことが懸念される」とした上で、「本来個々人の選択の結果として決まる喫煙者率について、国の介入によって特定の数値に誘導しようとする削減率の数値目標設定を見直すこと」「数値目標の設定を理由に、公的機関のみならず職場、飲食店等民間施設へ一律過度な喫煙規制を強いるのではなく、現実的な分煙対策を構ずること」という2点を強く要望する意見書を、6月27日付で国に提出した。

 それに対する国の回答はいまだないが、本紙の取材に対し熊本県は「がん検診の受診率を向上させる余地が十分あるのにそちらはおろそかになっている」「消費増税を推し進める一方でたばこ税という貴重な財源を大きく減らす政策には納得できない」と考えを示し、国と徹底抗戦する構えを見せた。

 神奈川県に続き全国で2例目となる受動喫煙防止条例を、公共施設で来年4月、民間施設で2年後の4月から施行する兵庫県だが、今回の閣議決定に従う姿勢は示していない。

 そもそも2004年に県の健康増進計画で設定した内容が、予定の10年までに達成できなかったのが受動喫煙防止条例を制定するきっかけとなった。そのため「今はまず、健康増進計画をクリアすることが先決」とし、「喫煙者率12%については、今のところ具体的な対応策は考えていない」と答えるにとどまった。

 その他、消費者や個人事業主など弱者を抑圧する一方的な施策をそう簡単に受け入れるわけにはいかないという自治体は多い。今後それらがどのような行動に出るのか、目の離せない状況が続きそうだ。