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8月2日香港市場にIPOへ ・ダイナムジャパンホールディングス香港上場の衝撃 ・マースなど関連銘柄に人気波及の期待も(日本証券新聞)

パチンコホール大手「ダイナム」の持ち株会社ダイナムジャパンホールディングス(本社・東京都荒川区、資本金50億円、佐藤洋治代表執行役社長)が8月2日に香港市場にIPO(新規上場)することが正式発表された。過去、パチンコホールの株式公開はさまざまな形で論議されてきたが、皮肉にも海外取引所への上場(日本企業の香港上場は初)という形で実現する。その上場による業界・マーケットへの影響をまとめてみる。

■ダイナムとは

 ダイナムジャパンホールディングスは、パチンコホール経営会社4社(全国約355店舗)を中核に不動産、経理・情報処理、遊戯機商社、広告分野において事業展開している。昨秋にホールディングス会社が新設された。グループ中核企業である「株式会社ダイナム」の従業員数(パート含む)は2011年3月で1万人強に達する。その設立は1967年7月で東京・亀有と金町店が開店したことに起源を持ち、今年で創業45周年だ。このほか、株式未公開ながら金融機関・アナリスト向け決算説明会を開催、投資適格の格付けを97年に日本公社債研究所(現・格付投資情報センター)から取得、低価格貸し玉営業の導入など、業界初となる試みを実施する革新的な経営を実践している。

■事業規模

 業界ではマルハン(本社・京都と東京、資本金100億円)に次ぐ規模を誇る。ダイナム単独による2012年3月期売上高は8976億5300万円、営業利益289億9800万円、経常利益293億2400万円、当期純利益158億4800万円。その規模を12年3月期実績ベースで東証1部上場企業を対象に比べてみると、売上高はニコンとルネサスエレクトロ規模に相当し、高島屋やファーストリテイリングを上回る。経常利益ではセブン銀行とリンナイと同等の規模で日清食品HDやドン・キホーテを上回る。

■調達資金と業界への影響

 上場によって調達される約200億円の資金は、日本国内における店舗投資やM&A(企業合併・買収)資金に活用される見込み。パチンコチェーンのM&Aに当たっては、これまで現金による買収手段しかなかったが、ダイナムは今後、株式を使ってのM&Aが可能となり、これは同社にとってのメリット。

■物色のターゲット

 日本の投資家は基本的にダイナムのIPOに参加できないが、上場後は香港株を取り扱うマネックスやアイザワ証券で売買ができる可能性がある。一方、今後、国内M&Aや店舗拡大に弾みがつく見込みで、パチンコ関連株に連想人気が働く。中で、ダイナムグループと良好な取引関係を構築しているのはマースエンジニアリングとユニバーサルエンタテインメントといわれる。

■証券空洞化の引き金?

 今回、ダイナムのIPO幹事を務めるのは、香港系の申銀万国証券と米系の香港証券会社で日本の証券会社はタッチしていない。パチンコホール業界が換金問題をはじめ上場に当たって、さまざまなハードルがあることは数十年来、分かっていたことだ。むしろ、年間売り上げ19兆円市場が実在するという現実に対応すべき。会社側の努力は純粋に評価する声がある。これに対し、法改正や法解釈をあいまいにしてきた立法や行政当局、無策でリスクを避ける取引所と証券界が、今回のIPOで突きつけられた課題は大きい。国内取引所ではなく、海外取引所への上場という第2、第3のダイナムの登場が出てくる可能性は大きい。

 ダイナムのIPO効果について大手証券アナリストは、「ホール大手のマルハンを筆頭にIPOが続く可能性があろう。ただ、ダイナムの株価が上場後、順調に上がるという必要条件付きだが。IPOに伴う資金調達で出店が増えれば、市場が活性化し、周辺機器メーカーを含め好循環となろう」と。また、「パチンコセクターは規制業種ということでディスカウントされてきたが、IPOがPER切り上げのきっかけになる可能性がある」としている。