「コンプガチャ規制には役所の利権奪い合いの要素も」と識者

日本のSNS業界の雄、ミクシィの身売り説が今年5月に「日経ビジネス」誌により報道された。その一方で、ソーシャルゲームを武器に拡大の一途を辿ってきたグリーとDeNAに立ちはだかった壁が「コンプリートガチャ(コンプガチャ)規制」である。

 コンプガチャとは、ソーシャルゲーム上の課金システムのひとつ。ゲーム自体は無料でプレーできるが、より有利に進めるためには「ガチャ」と呼ばれる1回数百円程度の有料電子くじを引き、アイテムを購入する必要がある。そこで特定のアイテムをすべて揃える(コンプリートする)と、レアなアイテムを入手できるコンプガチャが流行していたが、そのためには月数万円、中には20万円を超えるような高額請求も相次ぎ、社会問題化していた。

「パチンコなどは当たる確率が表示されているが、コンプガチャにはそれもない。また、よりゲームにのめり込めるように、ゲームバランスと称して作為的にレアカードが出にくい状況もあって問題は多い」(ITジャーナリスト・宮脇睦氏)

 景品表示法では、複数の異なる絵柄などを集める見返りに懸賞を与える行為は射幸心を過剰に煽るため、禁じられている。消費者庁は5月18日、同法に抵触するとの判断を公表し、グリーやDeNAをはじめ6社は5月末までの廃止を決めている。

 ただし、一連の動きについて、慶応大学大学院メディアデザイン研究科の岸博幸教授はこんな見方をする。

「パチンコなどが風営法の規制対象である以上、ソーシャルゲームもその対象にすべきではないかという意見も根強く、風営法なら警察庁、景品表示法なら消費者庁の所管になります。いずれにしろ、急速に成長した新しい業界を懲らしめる役所間の手柄争い、新しい利権の奪い合いの要素があるのかもしれません」

※週刊ポスト2012年6月8日号